備忘録

まずは「はじめに」をお読みください

ミステリーナイト!尊過ぎ問題

オッス!オラ勝手に深読み解釈大好きオタク!(挨拶)

オタクといいつつ経済力の無さを言い訳に最近は色々なジャンルやカテゴリに足を突っ込んではクソにわかと化していて……っていや自己紹介はどうでもいい、

いいから、うっかりこのブログを見てしまったそこの人、今すぐスマイレージ『ミステリーナイト!』を聞いてきてくれ。


最高じゃない????

曲もダンスも歌も衣装も何もかもが最高。うん。最高。尊い。(語彙力2)

ハァ〜〜〜〜なんでこの曲もっと早く気がつかなかったんだ、というかスマイレージアンジュルムがこんなに素敵なグループだってもっと早く知らなかったんだ、そりゃBerryz工房無期限活動休止に加えて翌年μ’sまで活動休止して、なんで好きな女の子たちのイマを追いかけられないのと枕を濡らしまくった日々があって、なかなか新しいコンテンツ見る気になれなかったのは確かなんだけど、にしたってもっと早く知っておくべきだった、なんでだよ〜〜〜〜〜〜〜〜(果てない後悔の念)

なにせこのDance shot見たのが最後の一押しになって私はかななん推しになったんだからね。秘めたる魅力を爆発させるなんて、恐ろしい子!(その辺の経緯はまた今度書こうかな)

……が、あまりに大いなる尊さを感じてしまう私は、ここで一つの疑問にぶち当たる。



ミステリーナイト!はなんでこんなに尊いんだ????





いやそりゃね、あやちょの圧倒的スタイルとか、かにょんの可愛らしさと色っぽさで揺れる歌声とか、素直元気なたけちゃんの女っぽさ全開なとことか、めいめいの余裕ありげで勝気な表情とか、りなぷ〜のいつもの省エネっぷり気だるさとか、かななんの色の白さと表情からくる心ぐらつかせる色気とか、あるんだけど、あるんだけど、なんかそれだけじゃない気がする。 なんでだ。なんでこんなに尊いんだ……?





熟考に熟考を重ねた結果として思い浮かんだ原因は「歌詞」だった。

衣装のデザインもあいまって一層色っぽく、当時まだ全員10代のスマイレージにしては少々大人びすぎているような、そんな曲のイメージを決定付けてるのは間違いなくその歌詞。

「良い男が集まってくる」

「本気の恋は ちょっとお預けしちゃってもいいから」

「少し乱れた洋服だって 汗で乱れた口紅(ルージュ)だって」

「今夜一人を選べるかな」



オウいたいけな10代の乙女たちになんちゅう歌詞で歌わせとるんじゃありがとうございます

と思ったけど、この歌詞はただむやみにえろっちいだけじゃなくて、他の意味もある歌詞なんだなとも感じる。

その理由は大きく分けて以下の2点。



◯6人のスマイレージが歌うからこそ、新たな奥行きが生まれている
作詞作曲を担当したつんく♂氏のライナーノーツには、以下のような解説が。

セクシーな印象があるとは思いますが、 楽曲としては女性の寂しい心を唄っています。 「私に興味あるならかっこ良く目立って踊ってごらんなさい!」 みたいな気持ちで一人孤独に踊っている主人公。 「今夜誰か選んでみましょうか!?」ってな感じの 少々高飛車な女の子なんですが、でもその裏側には寂しさがあり、 誰か私を助けて!って思ってるような、そんな曲です。


「寂しい心」「孤独」「高飛車だけど寂しさを持っている」「誰か私を助けて!」この辺が特に重要なキーワードかな、と思う。

どうしてそう思うのか、そこにはスマイレージが辿ってきた道が関係している。


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スマイレージ(現アンジュルム)は初見の私が「いやwwwwwww変遷急すぎドラマ過ぎワロタwwwwwwwwww」と言いたくなるほど多くの苦難を乗り越えてきたグループ(だと思ってる)。

その辺の経緯はぺりさんのこちらのブログ記事に詳しいです。

「アンジュルム」のこれまでの変遷 - とうふ油

(スマ、アンジュを知ったばかりのニワカ人間にも非常に分かりやすくて助かりました、本当にありがとうございます)


どん底」「底辺」「暗黒期」などメンバーやファンによって表現は様々だけど、

・ずっとスマイレージは4人の黄金バランスを保ち続けると思われていた中でメンバー2人が抜ける(特にゆうかりん卒業の衝撃は凄まじかっただろう)

・そうした経緯からあまり歓迎ムードがない中で、一緒に頑張ろうとしていた追加(2期)メンバーから1人が病気のため脱退

・ライブハウスツアーのチケットが売れなくて怒られる

・食事がしょぼい、ハロコンお祝いのケーキに名前を書き忘れられてあとから追加されるなど、事務所からの扱いが雑

6人のスマイレージは、とにかく頑張っても頑張っても報われない、ファンからの反応も芳しくない、一体どうすれば……ともがき苦しんだ2年間を過ごしていた。

特にチケットのくだりで怒られる動画は開始数秒で「アッ無理やめてェ!!!!」となって視聴を取りやめて以来、未だに見られてません私。つらい。今すぐ消そうよ運営。つらいからリンクも貼らないよ。


そんな中でもハードスケジュールをこなしながら、歌やダンスのスキルを上げに上げて、6人はぐんぐん成長していった。

アンジュルムになってから本格的に知ったお前が何を言ってるんだと言われても反論できないけど(というかこのブログ自体全記事そんな感じになると思うけど)それでも2期メンバー正式デビューの『プリーズ ミニスカ ポストウーマン!』からこの『ミステリーナイト!』まで約1年と数ヶ月の伸びは、素人目に見ても尋常じゃない。

曲の大人びた魅力ももちろんだけど、6人が死にものぐるいで成長しなきゃ、あんなに驚くことはなかっただろう。どうなってんだよあのダンスまじで。


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で、そんな背景を知ると、ミステリーナイト!の歌詞は、この時代のスマイレージが歌うべくして作られた歌詞なのかな、と感じる。

ライナーノーツで挙げられたキーワードをそれぞれ考えると

「寂しい心」 →1期2期メン共に、一緒に戦うはずだったメンバーがいなくなり、さらにファンもいなくなった状況

「孤独」 →他のハロプログループは安定した人気や事務所からのプッシュがあるのに、自分たちにはそれがない

「高飛車だけど寂しさを持っている」 →ライブやMVメイキングでは明るく無邪気に振舞っているけれど、心の中にはどこかやるせなさがあったのではないか?でなきゃ壁に唐揚げ投げないよな?

「誰か私を助けて!」 →そのまま。もっと売れたい、もっとたくさんの人に見てほしい、という渇望。


つまり、ミステリーナイト!の歌詞は、スマイレージがこれから羽ばたこうと、サナギの中でもがきながら成長する、そんな姿を描いているのではないか?ということをまず私は考えた。

大きく次のステップへ羽ばたく直前の、自信と不安と高揚感と寂しさとが複雑に入り混じった感覚。それは多感な10代の乙女たちにとっては儚く美しいものでもあるけれど、時には華奢な身をむしばむ毒薬にもなるような危うさをも秘めたものだっただろう。繭期みたいだねとか言わない。

その感覚が存分に反映されたのが、ミステリーナイト!の歌詞とメロディなんだと思う。

だからこそ(少なくとも最初は)この時期の6人で歌われるべき歌詞とメロディで、6人が歌うからこそ「スマイレージの飛躍前夜物語」としての新たな奥行きが生まれていて、私はそこにこんなにも魅了されているのではないか、というのが一つ目の結論。


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私のこの想いをさらに裏付けるエピソードがある。

この曲がファンの前で初お披露目(違ってたらごめんなさい)されたひなフェス2014で、この曲の披露直後に、サプライズでスマイレージ初の単独武道館公演を行う旨が発表された。狙ったのかたまたまなのか、それは“夜”公演での出来事だった。

(スマイレージ武道館公演発表は37:05頃から)

メンバーやファンの驚き、戸惑い、そして大きな喜びなどさまざまな感情がパシフィコ横浜で渦巻いたあの夜は、まさしく“ミステリーナイト”だったのかな、と思う。

「舞台が揺れる」……きっとパシフィコ、大いに揺れたんだろな。

その頃の私は地方の高校生(バイトも禁止)で、いつか絶対首都圏に行ってBerryz工房のライブを生で見るんだ!と息巻いて勉強頑張ってたんだけど、まさか数ヶ月に活動休止発表されて呆然とすることになろうとは思いもしなかったな。この時にスマイレージを知っていれば……



◯これは大人の恋ではなく、アイドルを歌う歌詞である

ライナーノーツがありながら何新たな解釈加えようとしてんじゃボケというツッコミは受け止める。おっしゃる通りですもの。

この理由は先に述べた「6人のスマイレージだからこそ映える曲」というのと結構被ってる部分があるけれど、この歌詞自体にアイドル全体に共通している感情が染み込められているんじゃないか?と思った。

その感情が100%一致して大きな魅力に変換されたのが6人のスマイレージだった、というのが1つ目の理由だったけど、この曲はその後アンジュルムとなりメンバーの追加、卒業があった後に歌われても、決して魅力は衰えていない。

それは何故か?を解決するのが2つ目のこの理由。最初に歌詞を見た多くの人はおそらくこの記事の冒頭みたいに「オイオイオイ随分と大人びた歌だね」ってなるんじゃないか。そして「清純さや無邪気さ、素直さが売りとされるアイドル(これはスマイレージだけでなく、日本のアイドル全体のイメージを想定してる)にしては攻めた歌詞だね」ともなるんじゃないかな。

でも違う。たしかに一見えろっちい曲だけど、歌詞にはアイドルが持つであろう感情が染み込められている、そう私は感じる。

以下、順に私の勝手な解釈を付け足して説明しよう。


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・「目元強めのメイクして 一番派手な香水して」

→「一番派手な香水して」というのは「一番匂いが派手(きつい?)香水して」、つまり「(一筋縄ではない)クセの強い匂いをまとっている」ということ。そう考えると「目元強めのメイク」も“アイドルとしてのウケ”を考えるとなかなかしないかもな。

・「誰の目も見ず踊ってみる 良い男が集まってくる」

→「誰の目も見ず(誰か一人のためでなく不特定多数に向けて、あるいはそのために人目に触れない場での鍛錬を積んで)踊ると、それに魅せられたファンが集まってくる。あるいは、そうだと思いたい。」

・「思惑ある笑顔接近〜恋の嵐吹き荒れろ」

→様々な想いを持つファンがたくさん集まって、自分たち(アイドル)が大ブームを巻き起こしたい。

・「本気の恋は ちょっとお預けしちゃってもいいから」

→文字通り「誰かに恋をする」ことを犠牲に、アイドルとして(ファンとの疑似恋愛で)生きる子たちの覚悟(諦め?)

・「今夜好きなだけ 夢を見せたげる 素直になりなさい」

→アイドルとしての役割(コンセプトに則って歌い踊る)を存分に果たしてファンを楽しませるから、応援しなさい!(応援して応えてほしい)

「素直になりなさい」は自分たち自身に言い聞かせてる、とも取れるかも。

サビに12回入る「come on」は「ファンに“来て”ほしい」と「チャンスよ“来い”」。

・「少し乱れた洋服だって〜一つ残らず私なの」

→「少し乱れた洋服」は、ダンスで疲れた身体、あるいはそのまま乱れた衣装。ダンスを間違えたとも取れる。

「汗で乱れた口紅(ルージュ)だって」は、音の外れた歌唱。

そんな完全じゃない状態の私も、すべて私、という自己肯定(自分への言い聞かせ?)と、だからちょっと失敗してもがっかりしないで、というファンへの想い。

・「今夜一人を選べるかな 舞台が揺れる」

→推しメンとして自分を選んでほしい、あるいは確実について来てくれるファンを獲得したい。

そのために緊張してしまって、今自分が置かれている、あるいは立っている場所(=舞台)がぐらついているように感じる。

・「このままずっと踊ってもいいけど」

→ずっと誰の目も見ず踊っててもいいけど、そうすると自分を推してくれるファンは獲得できないかもしれない。

その葛藤も前の「舞台が揺れる」に含まれてるかも。

・「みんな積極的」

→ここでいう「みんな」はグループのメンバー(仲間)なのか、それともファンなのか。仲間なら彼女たちもまた自分と同じように踊っていること。ファンならアイドルとの疑似恋愛を積極的に楽しんでいること。(ちょっと行き過ぎたファンの皮肉?)

・「愛は美しい すべての始まり」

→唐突に出てくる「愛」。それはアイドルとして活動するときの源でもある「純粋に何かを楽しむ心」「くもりのない期待」などで、それはとても美しい。(が、今それが徐々に無くなっていて、ひとりもがき苦しんでいる)


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こんな風に、私は歌詞のそこかしこから「アイドルとして売れなくてはならない」けど「純粋に歌や踊りを楽しみたい」という気持ちもあって苦悩する、アイドルの共通項のようなものを感じ取った

この苦悩はさっきも言ったように、毒にも薬にもなる壊れやすい代物。それを背伸びする(見栄を張る)女性の姿に投影して閉じ込めたこの歌詞の、なんと美しいことだろうか。

メロディの変化も相まって、それはいっそう強調されていると感じる。



結論:ミステリーナイト!、尊い



いやあんだけ行数文字数食っといてこんな短い結論かよ、となるけど、基本的に「尊い」って言葉は「尊い.zip」だと思ってて、それを解凍したのがこの記事なんだよ。

勝手に解釈クソオタクもたのしいよ!

とにかくそんな尊さを秘めたミステリーナイト!をみんなに聴いてほしい。そんでそっから十人十色の尊い.zipが作成されればいいな。

ハァ〜〜〜はやく就活終わらせてバイトしまくって在宅卒業したいな〜〜〜〜



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まさか1発目の記事こんな長くなると思ってなかった。普段私こんなこと常に考えてんのか、そりゃ集中力落ちるわ。

次からはもっと軽めの記事も書くはずです。だってそうしないとなんかプレッシャーになりそう。